令和5年度 由利組合総合病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 505 106 71 167 244 533 986 1686 1515 572
【全指標に係る集計条件について】

 この病院指標では、DPCデータから全国統一の定義と形式に基づいた指標を作成し地域の皆様に公開しております。このDPCデータから見た当院の現状をもとに、当院の地域における役割を把握し、さらなる医療の質向上に努めてまいります。なお、この指標は、厚生労働省の令和6年度「病院情報の公表」に係る病院情報の集計条件等に基づいて作成しております。
 現在公開している病院指標は、令和5年度(令和5年4月1日~令和6年3月31日)中に当院を退院された患者様のDPCデータを集計の対象としております。
 「DPC」とは、Diagnosis(診断)、Procedure(処置;手術、検査等)、Combination(組み合わせ)の略で、日本独自の診断群分類を意味し、本指標にある14桁のDPCコードは、患者様の医療情報を数値で表したものです。DPC対象となる方は一般病棟に入院された患者様です。DPC対象外となる方は、自賠責保険や労災保険、自費等の患者様です。また一般病棟に入院された後、24時間以内に死亡された患者様のデータ等も含まれておりません。
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■年齢階級別退院患者数について

 令和5年度に当院の一般病棟を退院された患者様の年齢階級別患者数です。年齢は入院日時点の満年齢とし、10歳刻みの年齢階級別に集計しております。退院患者の年齢構成を見ることで、その病院の患者構成や特徴をある程度知ることができます。
 当院は、秋田県南西部の由利本荘・にかほ地域の中核病院として、幅広い年齢層の患者様にご利用いただいております。とりわけ70代以上の患者様が全体の約半数を占めており、高齢者の入院が多い傾向がわかります。また、少子化の中にあって新生児・乳幼児の患者様の割合も多い傾向にあり、地域における周産期医療の役割も大きく担っていることが反映された結果となりました。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 62 24.81 20.60 9.68 85.81
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上)手術・処置等2なし 38 24.92 20.03 7.89 78.50
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 37 15.43 13.52 5.41 85.03
130030xx99x9xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等29あり 29 17.90 12.88 0.00 73.66
130060xx99x4xx 骨髄異形成症候群 手術なし 手術・処置等24あり 28 6.32 9.80 0.00 79.50
【診断群分類別患者数等について】
 診断群分類別患者数等では、診療科別に患者数の多い上位5つまでのDPC14桁コードを抽出し、DPC14桁コード、DPC名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、自院の転院率、自院の入院日時点での平均年齢を集計したものです。
 DPC14桁コードとは、DPCの診断群分類を決定する14桁のコードです。傷病名と手術、処置の有無の組み合わせを数値と記号で表しています。平均在院日数(全国)では、厚生労働省より公表されている、全国DPC対象病院の令和5年度DPCコード別の平均在院日数を示しています。転院率とは、当院から他の病院に転院し、入院を継続することになった患者様の割合です。
 なお、眼科については、上位5位全ての患者数が10件未満でしたので、公表しておりません。
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■内科
 内科で最も多いのは、誤嚥性肺炎に関する手術を伴わない診療でした。平均年齢は約86歳と高齢の患者様が多い結果となりました。この場合、すでに何らかの基礎疾患を有している患者様も多く、病態が重症化しやすいため、平均在院日数は全国平均と比べて長期化する傾向となりました。
 2番目は、敗血症に関する診療でした。敗血症とは、何らかの細菌やウイルスに感染することによって全身にさまざまな影響がおよび、心臓、肺など体の重要な臓器の機能が障害(臓器不全)され重篤な状態にもなります。平均年齢が78歳となりました。
 3番目は、腎臓又は尿路の感染症で、この感染症がきっかけとなり重篤な状態である敗血症に進行することがあります。
 それ以降は、非ホジキンリンパ腫に関する診療で平均年齢は73歳、次いで、骨髄異形成症候群に関する診療で平均年齢は79歳となりました。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 113 3.08 2.61 0.00 69.57
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 103 13.32 8.75 3.88 78.19
060340xx99x0xx 胆管(肝内外)結石、胆管炎 手術なし 手術・処置等2なし 36 17.28 9.55 5.56 81.64
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 31 8.90 7.61 0.00 73.52
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 26 16.35 7.58 7.69 64.35
 消化器内科で最も多いのは、内視鏡的手術を伴う大腸ポリープに関する診療で、手術の実施から退院までの日数が短いため平均在院日数が短くなることが特徴的です。
 2番目は、胆管結石や胆管炎に関する手術を伴う診療で、状況に応じて内視鏡下乳頭切開術等の治療が多く行われています。次いで、胆管結石や胆管炎などを、手術せず抗生剤等を用いて保存的に加療するものとなりました。胆管炎は再発が多く、繰り返し入院される方が多い傾向です。
 4番目は、胃がんに関する診療で、外来で予定を立ててから入院し、入院2日目に内視鏡を用いた粘膜切除術(EMR)や粘膜下層剥離術(ESD)を行い腫瘍を採取します。採取された腫瘍組織は、病理組織検査が行われ、がんであるか診断します。
 5番目は、穿孔を伴わない大腸憩室性疾患に関する診療でした。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 79 27.04 17.38 5.06 86.48
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 75 5.77 4.26 0.00 71.27
050050xx9910x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 他の病院・診療所からの転院以外 62 3.42 3.05 0.00 68.73
050030xx97000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 その他の手術あり 手術・処置等1なし、1あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 33 16.88 11.54 0.00 67.61
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 26 20.19 20.60 15.38 88.46
 循環器内科で最も多いのは、心不全に対する診療でした。平均年齢は86歳と高齢であり、もともとの心機能が低下している方も多く重症化しやすいため、平均在院日数も全国平均と比べて長期化する傾向にありました。
 2番目は、狭心症や陳旧性心筋梗塞などの虚血性心疾患に対する心臓カテーテル検査です。この検査では、カテーテルという細い管を手首や足の血管から心臓の血管まで通して、血管の状態等を確認する冠動脈造影が多く行われています。1泊2日から2泊3日の入院が多く平均在院日数も短い傾向でした。
 3番目は、虚血性心疾患に対して冠動脈形成術を伴う診療でした。これも心臓カテーテル検査と同じく、狭窄・閉塞した病変部にカテーテルを通し治療を行います。2泊3日の入院で治療が行われる症例が多くありますが、緊急で行うケースもあり、患者様の状態に応じた診療を行っております。
 4番目は、急性心筋梗塞に対し経皮的冠動脈ステント留置術等を伴う診療、5番目は、誤嚥性肺炎でした。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 66 5.15 5.96 1.52 1.64
150040xxxxx0xx 熱性けいれん 手術・処置等2なし 51 3.92 3.56 0.00 2.61
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 46 4.41 5.64 2.17 6.54
030270xxxxxxxx 上気道炎 32 4.22 4.72 0.00 1.59
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2なし 31 4.77 5.86 0.00 4.16
 当院の小児科では、由利本荘・にかほ地域の小児入院施設として多くの症例を扱っています。
 なかでも最も多いのは、急性気管支炎に関する診療でした。平均年齢は約1歳となっており、乳幼児が大多数を占めています。
 2番目は、熱性けいれんに関する診療でした。
 3番目以降は、感染性胃腸炎、ロタウイルス性胃腸炎、アデノウイルス性胃腸炎などの胃腸炎、急性上気道炎、インフルエンザと続いております。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx99200x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等12あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 47 3.66 2.98 2.13 72.94
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 41 20.20 13.59 2.44 76.20
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 40 7.55 8.33 2.50 72.80
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上)ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 38 5.32 4.55 0.00 71.82
060150xx99xxxx 虫垂炎 手術なし 35 9.91 8.02 0.00 59.49
 外科の上位3位は、肺の悪性腫瘍に関する手術を伴わない診療で、化学療法や放射線療法、点滴注射や酸素吸入、血液検査や画像診断検査、呼吸リハビリテーションなど、患者様の病状に合わせた診療が行われていました。
 4番目は、15歳以上の鼠経ヘルニアに関する手術を伴う診療、次いで虫垂炎の診療となっております。
 なお、これら上位5位まで集計された患者数を合計しても外科全体の2割程度に過ぎません。それは、消化器系のがん、肺がん、乳がん、消化器系の疾患、胸腹部の外傷など多岐にわたる症例を扱っているためです。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 114 35.61 25.50 38.60 82.87
070343xx01x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。)腰部骨盤、不安定椎 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)前方椎体固定術 手術・処置等2なし 98 23.24 19.94 4.08 74.00
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。)人工関節再置換術等 36 29.44 21.96 0.00 74.42
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。)人工関節置換術等 33 28.64 19.55 0.00 70.15
070350xx01xxxx 椎間板変性、ヘルニア 内視鏡下椎間板摘出(切除)術 後方摘出術等 31 9.13 9.53 3.23 54.29
 整形外科で最も多いのは、大腿骨骨折に対して人工骨頭挿入術を行う診療でした。特に高齢者は寝たきりの原因になることもあります。
 2番目は、脊髄造影検査を伴う腰部脊柱管狭窄症に関する診療でした。
 3番目以降は、膝関節症、股関節骨頭壊死、椎間板変性・ヘルニアに関する手術を伴う診療が多く集計されています。
 転倒した高齢者や骨粗鬆症の方に多いとされる大腿骨骨折等の症例は、平均年齢が80代となっており、高齢者の方に多いことがわかります。これらの症例において、当院における平均在院日数が、全国よりも長い傾向となっているのは、急性期治療後のリハビリテーションや退院後の生活を調整したりする方が多いことが理由の一つとして考えられます。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満)手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置24あり 定義副傷病なし 発症前Rankin Scale0、1又は2 60 25.92 15.70 8.33 76.15
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 37 2.76 2.95 0.00 63.14
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満)手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 32 38.81 19.09 28.13 72.16
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 27 10.19 9.88 7.41 78.89
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 20 7.85 7.19 20.00 68.15
 当院の脳神経外科では、脳卒中に関する症例を多く取り扱っております。最も多いのは、脳梗塞に関する症例です。DPCにおける脳梗塞では、重症度に応じてDPCコードが細かく変動します。上の表では特に、①発症から3日目以内、②入院時の意識障害の程度がJCS10未満、③発症前Rankin Scale(※1)が0から2、④手術、特定の処置等を伴わない、⑤特定の副傷病を伴わない、⑥脳保護剤(エダラボン)の使用がある、といった条件に合致した症例が多く集計された結果となりました。上記の表には載っておりませんが、その他にも患者様の症状に応じてt-PAによる急性期血栓溶解療法や脳血管内手術等の治療も扱っております。
 2番目は、破裂していない脳動脈瘤に対して血管内造影検査を行っている症例でした。この検査では、足の血管から頸動脈までカテーテルと呼ばれる細い管を通し、造影剤を用いて血管の状態や血液の流れを調べます。平均在院日数は約3日で、この症例のほとんどが2泊3日の検査入院でした。
 3番目に多いのは、手術を伴わない脳出血に関する症例でした。
 4番目は、頭蓋内損傷に関する診療で、頭蓋内血腫除去術や創傷処理を行っており、5番目は、てんかんに関する診療でした。
(※1)脳卒中患者の機能自立度を評価するための指標。発症前おおむね1週間のADL(日常生活動作)より決定。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1なし、1,3あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 35 8.20 9.77 2.86 82.26
050161xx9900xx 大動脈解離 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 19 38.79 16.49 5.26 75.05
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等 - - - - -
050070xx9700xx 頻脈性不整脈 その他の手術あり 手術・処置等1なし、1,3あり 手術・処置等2なし - - - - -
050163xx9900xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし - - - - -
 心臓血管外科で最も多いのは、洞不全症候群、完全房室ブロック等に対しペースメーカー移植術、ペースメーカー交換術を行った症例でした。当院の循環器内科と連携し、患者様の状況に応じた治療を行っています。
 2番目は、大動脈解離に関する手術を伴わない診療でした。
 3番目は、下肢静脈瘤に関する手術を伴う診療、4番目は、心房細動等の不整脈に対してペースメーカー移植術、ペースメーカー交換術を行った治療、5番目は非破裂性大動脈瘤に関する手術を伴わない診療でした。
 なお、3番目以降の症例につきましては、患者数が10件に満たなかったため数値の表示は差し控えています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 94 4.17 4.18 0.00 65.14
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関する障害(2500g以上)手術なし 手術・処置等2なし 92 7.02 6.07 0.00 0.00
120010xx99x70x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍手術 手術なし 手術・処置等27あり 定義副傷病なし 46 3.02 4.05 0.00 55.50
12002xxx99x41x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等24あり 定義副傷病あり 39 5.62 7.30 0.00 72.18
120010xx99x50x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍手術 手術なし 手術・処置等25あり 定義副傷病なし 31 5.32 4.05 0.00 70.74
 産婦人科で最も多いのは、子宮頸がんや子宮体がんの手術を伴わない診療で、計画的な化学療法目的の診療でした。短い在院日数で入退院を繰り返し行います。
 2番目は、新生児の低体重での出生や前期破水等により影響を受けた後の経過観察を行う診療でした。
 3番目は、卵巣がんや卵管がんの手術を伴わない診療で、子宮頸がんや子宮体がんと同じ化学療法目的の診療でした。
 4番目は、子宮頸がんや子宮体がんで化学療法を行うことにより白血球が減少する症例でした。化学療法をはじめとするがん治療により白血球が減少すると、病原菌に対する抵抗力が弱まるため、身体のあらゆるところに感染症を引き起こしやすくなります。
 5番目は、卵巣がんや卵管がんの手術を伴わない診療で、計画的な化学療法目的の診療でした。3番目の化学療法で使用した薬剤とは異なる薬剤での化学療法になります。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030390xx99xxxx 顔面神経障害 手術なし 17 11.88 8.71 0.00 59.53
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 12 6.42 4.73 0.00 62.50
03001xxx0200xx 頭頸部悪性腫瘍 頸部悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 11 16.73 12.84 0.00 67.64
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 10 8.20 6.02 0.00 67.10
030240xx01xx0x 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 扁桃周囲膿瘍切開術等 定義副傷病なし - - - - -
 耳鼻咽喉科で最も多いのは、顔面神経麻痺に関する手術を伴わない薬物療法による診療でした。
 2番目は、前庭機能障害(めまい)に関する手術を伴わない診療でした。めまいとなる病気を特定する検査や薬物療法を行います。
 3番目は、咽頭・喉頭がんや頸部リンパ節転移などの頭頸部悪性腫瘍に対して腫瘍切除術を伴う診療、4番目は慢性副鼻腔炎に関する診療でした。
 5番目は、扁桃肥大・慢性扁桃炎に対する診療で、そのほとんどが口蓋扁桃手術を行っています。なお、5番目の症例につきましては、患者数が10件に満たなかったため数値の表示を差し控えています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 60 7.62 6.85 0.00 77.37
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 51 17.22 13.52 0.00 81.69
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 49 2.31 2.44 0.00 70.57
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病なし 30 9.47 5.22 0.00 67.33
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 29 17.90 11.49 6.90 69.76
 泌尿器科で最も多いのは、膀胱がんに対し経尿道的膀胱腫瘍切除術などを伴う診療でした。
 2番目は、腎臓又は尿路の感染症で手術を伴わない診療でした。この感染症がきっかけとなり重篤な状態である敗血症に進行することがあります。
 3番目は、前立腺の悪性腫瘍を診断するための針生検目的の入院でした。計画的に行われる検査入院が多く含まれるため、平均在院日数は約3日程度と短くなっています。
 4番目は、腎結石・尿管結石に対して経尿道的尿路結石除去術を伴う診療で、5番目は、慢性腎臓病などの慢性腎炎で手術を伴わない診療でした。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 32 - 10 18 - 18 1 8
大腸癌 - - 40 40 - 48 1 8
乳癌 - - - - - - 1 8
肺癌 33 10 41 43 50 55 1 8
肝癌 - - - - - - 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 日本で現在、最も罹患数の多い5つのがん(胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がん)の患者数を、病期ステージごとに集計したものです。なお、再発がんは症例数のみを別に集計しております。
 集計対象は、令和5年度中に当院の一般病棟に入院し退院された患者様です。同一の患者様が集計期間内に入退院を繰り返した場合は、それぞれの入退院を1件として集計しております。症例数が10件に満たないものは、個人情報保護の観点から表示していません。また、本集計では、DPCの最も医療資源を投入した傷病名が、胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がんに該当した症例を集計対象としています。がん病期分類はDPC様式1データのTNM分類から出力しています。
 初発の病期分類はUICC TNM分類第8版に基づいたものです。UICC病期分類とは、国際対がん連合(UICC)によって定められた分類で、[1.原発巣の大きさと進展度(T)、2.所属リンパ節への転移状況(N)、3.遠隔転移の有無(M)]の3つの要素によって各がんを0期~Ⅳ期の病期(Stage:ステージ)に分類し、がんが、どれくらい進行しているのかを判定します。StageⅠが早期であり、SatgeⅣが最も進行していることになります。本指標では治療前に得られた情報から分類しております。

 当院は、由利本荘・にかほ地域においての地域がん診療病院であり、幅広くがん診療を取り扱っております。この集計でみると胃がん・大腸がん・乳がん・肺がんに対する診療が多い傾向がわかります。
 胃がんは早期であるStageⅠの患者様の割合が高くなっています。当院では内視鏡診断を多く扱っており、早期のがんが発見された場合は、状況に応じて内視鏡による粘膜切除術を行うなどしています。
 肺がんでは他のがんと比べて、ステージ不明の割合が大きくなっています。これは、治療前の検査目的で短期入院に該当する患者様が多いためです。令和5年度中は、気管支鏡による検査が多く行われておりました。この場合、検査結果が出る前に退院される方が大半で、入院中にステージ判定に至りません。したがって、不明として集計される症例が多い傾向にあります。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 71 21.00 75.32
重症 16 22.44 82.06
超重症 - - -
不明 - - -
 成人の市中肺炎について重症度別に当院の患者数、平均在院日数、入院日時点での平均年齢を集計したものです。
 集計対象は、令和5年度中に当院の一般病棟に入院し退院された20歳以上の患者様です。同一の患者様が集計期間内に入退院を繰り返した場合は、それぞれの入退院を1件として集計しております。症例数が10件に満たないものは、個人情報保護の観点から表示しておりません。また、本集計では、DPCの「入院のきっかけとなった病名」および「最も医療資源を投入した病名」がICD-10のJ13、J14、J15$、J16$、J17$、J18$に該当した症例であり、かつ、「市中肺炎」である症例を集計対象としています。
 ICD10とは、「疾病及び関連保健問題の国際統計分類:ICD-10(2013版)準拠」のことで、世界保健機関(WHO)が作成した国際疾病分類です。国や保健所での死因統計、疾病統計などで利用されています。DPCでは、傷病名はこの疾病分類により決まったコードが付与され、グループごとに分類されています。

 肺炎は、ウイルスや細菌などに感染し、それが原因で肺実質に急性の炎症を起こす病気で、厚生労働省が発表している2022年の統計では、肺炎は日本人の死因第5位となっています。また、発症場所により「市中肺炎」、「院内肺炎」、「医療ケア関連肺炎」に分類することができます。
 市中肺炎とは、病院や介護施設に関わりのない場所で発症した肺炎です。そのため、病院内で発症した肺炎、肺結核、誤嚥性肺炎、老人施設・長期療養施設で発症した肺炎等は、この中には含まれていません。
 重症度は、「市中肺炎ガイドライン」で採用されている「A-DROPスコア」という重症度分類によるものです。「A-DROPスコア」では、[1.Age(年齢):男性70歳以上、女性75歳以上、2.Dehydration(脱水):BUN 21mg/dL以上または脱水あり、3.Respiration(呼吸):酸素飽和度90%以下、4.Orientation(見当識):意識障害、5.Pressure(血圧):収縮期血圧 90mmHg以下]の五つの指標を使用しています。入院時の状態に該当する項目の合計数をスコアとし、軽症[0点]、中等症[1~2点]、重症[3点]、超重症[4~5点、もしくは、4点以下でも意識障害(ショック)がある場合]の4段階に分けて集計を行っています。

 当院は中等症の肺炎に対する診療が多い傾向にあり、全体の約78%を占めていました。また、中等症以上の患者様の平均年齢は80代となっており、高齢になるほど肺炎にかかりやすく、重症化しやすいという傾向がうかがえました。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 209 38.45 78.75 13.30
その他 - - - -
 脳梗塞の症例について、当院の患者数、平均在院日数、入院日時点での平均年齢、転院率を集計したものです。集計対象は、令和5年度中に当院の一般病棟に入院し退院された患者様です。同一の患者様が集計期間内に入退院を繰り返した場合は、それぞれの入退院を1件として集計しております。
 また、本集計では、DPCの最も医療資源を投入した傷病名が、ICD10のI63$に該当した症例のみを集計対象としております。ICD10とは、「疾病及び関連保健問題の国際統計分類:ICD-10(2013年版)準拠」のことで、世界保健機関(WHO)が作成した国際疾病分類です。国や保健所での死因統計、疾病統計などで利用されています。DPCでは、傷病名はこの疾病分類により決まったコードが付与され、グループごとに分類されています。
 「発症日から」の項目は、患者様が発症後何日以内に来院したかを示す項目です。具体的には、患者数を「3日以内(脳卒中の発症から3日以内に来院)」、「その他(発症日4日目以降に来院、もしくは無症候性)」に分けております。
 転院率とは、該当する症例のうちで、当院から他の病院に転院し、入院を継続することになった患者様の割合です。

 脳梗塞は、脳血管疾患の中でも多い疾患で、脳血流障害により障害された箇所の脳細胞が死んでしまう病期です。脳梗塞(ICD-10:I63$)に分類される傷病は、「アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳梗塞、ラクナ梗塞」などの脳梗塞です。当院は脳梗塞に対して診療する患者が特に多くなっております。また、平均在院日数は、他の傷病より長い傾向にありました。急性期医療を終えた後は、患者様の状況に応じて地域包括ケア病棟でのリハビリテーションに力を入れていることが主な理由の一つとして挙げられます。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 101 0.85 1.40 0.00 70.05
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 98 2.33 12.51 5.10 79.29
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術 33 1.48 6.76 0.00 73.79
K735-4 下部消化管ステント留置術 21 2.48 15.38 4.76 80.52
K6871 内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの 20 1.35 7.95 0.00 70.70
【診療科別主要手術別患者数等について】

診療科別主要手術別患者数等では、診療科別に手術件数の多い上位5つまでの術式を抽出し、当院の患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、入院日時点での平均年齢を集計したものです。手術は、入院中に行った手術の中で主たるもの一つのみをカウントしています。
 Kコードとは、診療報酬点数表での手術名のコードです。今回の集計では、輸血関連(K920$)、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術、および全ての加算は、集計対象から除外されております。平均術前日数は、入院日から手術日までの平均日数で、手術当日は含まれておりません。平均術後日数は、手術日から退院日までの平均日数で、手術日当日は含まれておりません。転院率とは、当院から他の病院に転院し、入院を継続することになった患者様の割合です。
 なお、内科、小児科、眼科、耳鼻科については、手術名称上位5位全ての患者数が10件未満のため集計条件に該当せず公表しておりません。
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■消化器内科

 消化器内科では、内視鏡を用いた診断・治療に力を入れており、内視鏡下で行う手術が上位を占めています。とりわけ大腸ポリープ、大腸腺腫に対する内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術の症例数が多く、2泊3日の入院が多いため、平均在院日数も短い傾向となっております。また、早期の胃がんに対して、内視鏡下で切除術が行われた場合は、内視鏡的胃ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層)として集計されております。
 その他にも、内視鏡的胆道ステント留置術、内視鏡的乳頭切開術といった胆・膵領域における治療も多く行われています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 45 3.71 5.00 0.00 70.53
K5463 経皮的冠動脈形成術 その他のもの 29 2.86 5.38 3.45 73.00
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 27 3.15 3.41 3.70 74.93
K5972 ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 24 5.25 12.50 4.17 84.00
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術 急性心筋梗塞に対するもの 23 0.00 24.13 0.00 67.78
 循環器内科では、心筋梗塞や狭心症などの冠動脈疾患や、下肢閉塞性動脈硬化症などの末梢動脈疾患に対する手術(経皮的冠動脈ステント留置術や四肢の血管拡張術・血栓除去術)が上位を占めております。これらの治療では、腕や足の血管からカテーテルと呼ばれる細い管を通して、狭窄・閉塞した病変部に対し治療を行います。外来で予定を立ててから入院治療が行われる症例が多く、術前・術後の平均在院日数は短い傾向にあります。その一方で、平均術前日数が1日に満たない症例は緊急手術を行うものもあり、患者様の状況に応じた治療を行っております。
 また、当院では、循環器内科入院中に、心臓血管外科と連携をとり、手術による加療を行う症例も多くあります。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 ヘルニア手術 鼠経ヘルニア 39 1.21 3.36 0.00 71.13
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 14 4.21 4.3 0.00 61.71
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 部分切除 12 1.83 4.42 0.00 77.17
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの 12 1.17 9.08 0.00 70.92
K7193 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術 12 2.92 17.58 0.00 69.00
 外科で最も多い手術は、鼠経ヘルニア手術です。この手術を行う症例では、事前に外来で手術予定を立てて治療するため入院期間も短い傾向にあります。
 2番目は、腹腔鏡下(ラパロ)手術で、お腹に0.5~1cm径のビデオカメラを挿入し、TV画面を見ながら細長い手術器具を挿入して行います。ビデオカメラ、手術器具は、小さな切開孔より挿入されます。3~4番目は、胸腔鏡下での手術で、肺の悪性腫瘍を切除する手術です。こちらも傷が小さく痛みはもちろん体への負担も軽減されるため、早期の食事開始や早期の退院が期待できます。
 これら上位5位までに集計されました手術のほかにも、患者様の症例に合わせた多くの種類の手術を実施しております。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 97 4.01 28.19 36.08 81.51
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 77 1.87 26.38 2.60 72.29
K1424 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)前方後方同時固定 69 1.77 18.42 0.00 76.06
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)後方椎体固定 48 1.90 24.48 6.25 70.94
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 36 2.75 13.97 5.56 63.33
 整形外科で最も多い手術は、骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿)でした。平均年齢は約81歳と高くなっており、高齢の方に多い骨折部位であることがうかがえます。平均術後日数が長めの傾向にありますが、当院はリハビリテーション科を有し、患者様の状況に合わせた術後リハビリテーションにも取り組んているためです。
 次いで多く集計されたのは、人工関節置換術(肩、股、膝)でした。
 3、4番目は、脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)で、脊柱管狭窄症に対しての手術でした。
 5番目は、前腕や下腿の骨折に対する手術でした。平均年齢は約63歳ですが、10代から90代まで幅広い年代で構成されています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 20 0.20 9.50 10.00 79.25
K178-4 経皮的脳血栓回収術 17 1.06 48.24 29.41 80.59
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 11 6.55 30.64 9.09 74.82
K1781 脳血管内手術 1箇所 - - - - -
K1783 脳血管内手術 脳血管内ステントを用いるもの - - - - -
 脳神経外科で最も多いのは、慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術で、頭蓋骨に小さな穴を開け、その下にある硬膜を切開して血腫を吸い出して血腫腔の中をきれいに洗います。
 2番目は、経皮的脳血栓回収術で脳梗塞に対して行われます。主に足の付け根から血管の中にカテーテルを挿入して、詰まっている血栓を回収除去したりすることで再び脳血流を開通させることを目的とします。閉塞血管を再開通させることで、症状の劇的な改善が得られるため、脳梗塞の範囲を最小限に食い止めることで後遺障害の軽症化も期待できます。
 3番目は、経皮的頸動脈ステント留置術で、内頸動脈にステントを入れる手術です。
 4番目以降は、くも膜下出血や未破裂脳動脈瘤に対して行われる脳血管内手術です。
 なお、症例数が10件に満たなかった手術に関しては、数値の表示を差し控えています。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K597-2 ペースメーカー交換術 24 1.33 5.25 0.00 84.50
K5972 ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 12 1.58 6.75 8.33 76.92
K6171 下肢静脈瘤手術 抜去切除術 - - - - -
K617-2 大伏在静脈抜去術 - - - - -
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 - - - - -
 心臓血管外科で最も多い手術は、洞不全症候群や房室ブロック等に対しペースメーカー移植術を行った後で、電池消耗のペースメーカーを取り換えるペースメーカー交換術でした。
 次いで多かった手術は、新規にペースメーカー移植術(経静脈電極)を行うもので、正常な興奮信号が作られなくなる洞不全症候群や房室伝導障害である房室ブロックに対し行われます。
 3番目以降は、下肢動脈瘤手術、大伏在静脈抜去術等となっています。
 なお、症例数が10件に満たなかった手術に関しては、数値の表示を差し控えています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K861 子宮内膜掻爬術 27 0.63 1.70 3.70 60.93
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)腹腔鏡によるもの 19 0.95 3.11 0.00 38.53
K867 子宮頸部(膣部)切除術 18 1.00 2.00 0.00 45.67
K877-2 腹腔鏡下膣式子宮全摘術 15 1.07 4.00 0.00 49.80
K879 子宮悪性腫瘍手術 12 2.00 7.92 0.00 61.75
 産婦人科で最も多い手術は、子宮内膜掻爬(そうは)術でした。掻爬術とは、専用の器具で子宮内膜の組織を削り取るもので、当院では、子宮内膜増殖症や子宮体がんの病理学的診断をする場合や、産後の胎盤遺残などに対して行われております。
 次いで多いのは、子宮附属器腫瘍摘出術(両側)腹腔鏡によるもので、卵巣の腫瘍に対して行った手術でした。
 3番目は、子宮頸がんに対する子宮頸部切除術(子宮頸部を円錐状に切除し子宮頸がんかどうか診断しながらも同時に治療も行う手術法)でした。
 4番目は、腹腔鏡下膣式子宮全摘術で、子宮筋腫などに対して腹腔鏡下で行うため、傷が小さく痛みはもちろん体への負担も軽減されるため、早期の食事開始・退院が期待できます。
 5番目は、子宮頸がんや子宮体がんに対して行う、子宮悪性腫瘍手術(子宮全摘術・卵巣卵管摘出術等)でした。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 59 1.80 4.14 0.00 76.88
K7811 経尿道的尿路結石除去術 33 6.03 7.64 0.00 69.09
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 32 2.72 8.31 0.00 70.56
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの 31 4.71 10.19 0.00 71.26
K8411 経尿道的前立腺手術 電解質溶液利用のもの 13 8.69 11.23 0.00 76.46
 泌尿器科で最も多い手術は、経尿道的に行う膀胱悪性腫瘍手術でした。これは表在性の膀胱がんに対する治療のひとつで、患者様の状況に応じて選択されています。尿道から内視鏡を挿入しがんを切除するので、開腹手術とは異なり比較的、肉体的に負担の少ない治療とされています。
 2番目は、経尿道的尿路結石除去術(レーザー)で尿管鏡を尿管や腎まで挿入し、直接結石を確認しながら、レーザーを用いて破砕します。
 3番目は、尿管ステント留置術で、腎結石や尿管結石で尿の通り道である尿管が閉塞しないようステントを留置することで、狭窄に伴う腰背部痛や閉塞性の尿路感染、腎機能低下などを改善することができます。
 4番目は、腎臓のはたらきが悪くなり血液透析という医療的な補助が必要になったときに行われる末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)、5番目は、前立腺肥大に対して行った手術で、経尿道的前立腺手術でした。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 17 0.27
180010 敗血症 同一 53 0.83
異なる 26 0.41
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる - -
 播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌症、手術・処置等の合併症の症例数をDPCの入院のきっかけとなった傷病名(以下、入院契機)と同一であるか、異なるかを区別して集計したものです。
 集計対象は、令和5年度中に当院の一般病棟に入院(もしくは入棟)し、一般病棟から退院(もしくは退棟)された患者様です。同一の患者様が集計期間内に入退院(入退棟)を繰り返した場合は、それぞれの入退院(入退棟)を1件として集計しております。症例数が10件に満たないものは、個人情報保護の観点から表示していません。また、本集計では、DPCの最も医療資源を投入した傷病名が播種性血管内凝固症候群(DPCコード:130100)、敗血症(DPCコード:180010)、その他真菌症(DPCコード:180035)、手術・術後の合併症(DPCコード:180040)に該当した症例を集計対象としています。
 入院契機とは、DPCコードで分類されたDPC病名とは別につけられている、入院のきっかけとなった傷病名のことです。DPC病名と入院契機病名が「同一」の場合は、入院のきっかけとなった傷病名の診療を中心に行ったということを表します。「異なる」場合は、入院のきっかけとなった傷病名の診療目的で入院していますが、入院経過中に入院契機病名とは別に、その患者様がもともと持ち合わせていた疾患や入院中に発症した疾患に対する診療を中心に行ったということを表します。ここでは、入院の途中から、播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌症、手術・処置等の合併症に対する診療を中心に行ったということを表しています。
 発生率とは、当院の全退院患者数に対して、各症例数(同一性の有無を区別したもの)が何割占めるかを示しています。
 医療の質の改善に資するため、臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして発生率を集計しております。これらは重篤な原疾患の合併症として発症する例が多く、多様な患者様を診察していく過程上、完全に無くすことは非常に難しいことではありますが、今後も可能な限り改善するべく努めてまいります。
 敗血症とは感染によって全身性炎症性反応が引き起こされた重篤な病態を指すとされています。全身性炎症反応症候群(SIRS)は、以下の項目[1.体温>38℃または<36℃、2.心拍数>90/分、3.呼吸数>20/分またあはPaCO2<32 Torr、4.末梢血白血球数>12,000/μl,または<4,000/μl,あるいは未熟型白血球>10%]のうち2項目以上を満たす場合に診断されます。
 真菌症とは、ヒトに病原性を示す一部の真菌が引き起こした感染症のことです。真菌とは真核微生物の一種で、この中にはカビなどが含まれていますが、ヒトに感染を起こすものはごく一部です。一般に免疫機能が正常であれば、真菌症の発症は稀だとされています。ただし、免疫機能が低下している場合などは、真菌が肺や肝臓などの臓器に入り込んで感染を生じ、重症化する場合があります。当院での真菌症の症例数は10件に満たなったため数値の表示を差し控えています。
 手術・処置等の合併症は、診療上で手術や処置などを施行するのに伴い一定の割合で発生してしまう病態です。主なものとして手術後の出血や創部の感染症等が挙げられます。手術・処置に伴う合併症は必ず発生するわけではありませんが、どんな手術・処置でも起こる可能性があるもので医療ミスとは異なります。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
778 740 95.12%
当院では、肺血栓塞栓症の発症リスクレベルが「中」以上の手術を施行した入院患者様に対し、予防対策を実施した割合が90%を超えております。
予防対策とは、弾性ストッキング着用、フットポンプ装着(血栓予防装置)による間歇的空気圧迫法になります。患者様が術後も安定した状態で過ごせるよう、肺血栓塞栓症の予防対策に努めています。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
1819 1766 97.08%
 本来無菌である血液中に感染症を原因として微生物が侵入すると、敗血症や感染性心内膜炎など重症感染症を引き起こします。血液培養は、その原因微生物の複数(2セット)採取が推奨されており、血液培養を評価する指標としても有効です。

広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
639 553 86.54%
 抗菌薬治療において、抗菌薬投与前に血液培養等の検体採取が必須となります。そして、経験的に使用した抗菌薬(広域スペクトル抗菌薬)から、その培養結果に基づき適正な抗菌薬(狭域スペクトル抗菌薬)に変更することが基本的な方針としてあります。
 広域スペクトル抗菌薬による治療は、多くの原因微生物に対して有効である一方で、正常な常在細菌叢を破綻し、長期使用により耐性菌の発生を促進する可能性があり、感染症治療が長期・難渋化するリスクが高まります。
 そのため、感染症を正しく診断・治療するうえで、適切な培養検査の実施と適正な抗菌薬使用は重要といえます。
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